日本のスマホ平均利用時間は(成人全体)は1日平均で約4〜5時で、シニア層(60歳以上)でも1日平均で約2〜3時間らしい。また、Z世代(10〜20代前半)では6〜8時間/日を超えることも珍しくないようだ。国別では、ブラジル、インドネシア、韓国、アメリカは日本以上とか。
では、スマホがなかった時代(〜2007年頃まで)、人々はその時間を何に使っていたのか? 「待つ」「探す」「感じる」「話す」「書く」「黙る」など、今よりもゆるやかで余白ある行為に費やされていた。それらは、他者との関係の質、自分との対話、思考の深さ等に、今とは異なる「豊かさ」「濃度」をもたらしていた!?
①情報収集・ニュース。。。情報は「待つもの」だった(受け身)。書店や図書館に行くことで「知る」機会を得ていた。②人間関係・コミュニケーション。。。電話(固定電話・公衆電話)・手紙。対面での交流が基本。会社の同僚、町内会、家族団らんが中心。③暇つぶし・娯楽。。。テレビ視聴(1日平均3〜5時間)、読書(新聞・雑誌・小説)、音楽(CD、カセット、ラジオ)、マンガやゲーム(据え置き型)、散歩や喫茶店での会話。人によっては、日記、編み物、囲碁・将棋など手元の作業。④自己内省・創造。。。空白時間=「思索」「妄想」「ぼーっとする時間」。紙の手帳にスケジュール管理やメモ、自室や通勤中の「沈黙の時間」が多かった。⑤日常行動がゆっくり。。。スマホがなかったことで「即時レスポンス」が不要。駅で時刻表を見る、地図を広げる、待ち合わせで本を読む等、意図せず「間」が生まれ、そこに思考や観察があった。
情報収集が待つ・探す→流れ込む・溢れる。コミュニケーションが限られた手段(電話・手紙)→常時接続・即時応答。暇のつぶし方がテレビ・読書・観察 →SNS・動画・ゲーム。思考時間が沈黙や空白が多かった→常に刺激あり、空白が減少。集中力・耐性が長文・待機・不確実性に強かった→短文・即時・効率志向に偏りやすい。
スマホは、情報や人とつながる能力を飛躍的に高めた一方で、「余白=空白・間・沈黙・無為の時間」を奪った。この「余白の喪失」には、功罪(メリットとデメリット)があり、それは現代人の心・体・社会的つながり・創造性に深く影響。余白は「ムダ」ではなく「源」。 スマホにより、人生は便利になり、行動は最適化され、知識や人脈は拡張されたが、同時に、自分と向き合う時間、心を耕す時間、他者と深く共鳴する時間という「人間らしい営みの土壌」が痩せ細ってきた側面がある。「余白」という言葉が象徴する効力は、内省、回復、創造、気づき、人間性の再接続といった効果を指している。余白とは、時間の長さではなく、心の構えであり、一種の「余裕ある関係性(時間・人・自然・自己)」のこと!? スマホによって失われたのは、情報ではなく、「余裕ある存在のしかた」だった。。。
【功(メリット)】余白が減ったことで得たもの。。。①即時性と効率
あらゆる情報がリアルタイムに手に入る。待ち時間や手間が減少(乗換案内、買い物、連絡)。②つながりの拡大。。。地理的制約を超えて人とつながれる。SNSを通じて、趣味・興味で新しい人間関係が築ける。③知識と刺激の爆発的獲得。。。自分の関心に合った情報が無限に得られる。好奇心をすぐ満たせる(検索・YouTube・電子書籍など)。④隙間時間の活用。。。待ち時間や移動時間が「活用できる時間」へ変化。メモ、学習、投資、読書、ニュースチェックがすぐ可能。
【罪(デメリット)】余白がなくなったことによる損失。。。①内省の時間が奪われた。。。「ただぼーっとする」時間が減少。自分の感情や思考を深める余地が減り、「浅い気づき」ばかりに。人生の節目や変化を振り返る「熟成時間」が不足。②集中力・忍耐力の低下。。。常に通知や新情報にさらされ「注意の断片化」が起こる。長文や難解な思考に耐える力が弱まりやすい。③孤独と不安の拡大。。。つながっているようで、深い関係性は希薄に。他者の「キラキラ投稿」と自分を比べて落ち込む。孤独を直視せず「気を紛らわす」ばかりに。④創造性の低下。。。余白(退屈・沈黙)こそが創造の源泉。「手持ち無沙汰」がないと、アイデアも湧かない。音楽家や作家の多くが「無為の時間」を大切にしていた。
では、余白と同じような効力を持つものは何か?① 沈黙(Silence)
言葉のない空間、音のない時間。心の声や身体感覚が浮かび上がる。対話の中の沈黙は、関係性の深まりや熟考のきっかけにもなる。② 自然との接触(Nature Immersion)森や海、空など、人工的でない世界との対話。生物としての自分を回復させる。「思考」よりも「感覚」が優位になることで、頭のリセットが可能。③ 歩行(特に目的のない散歩)歩くことは、脳と心を揺らすリズム運動。解決策が浮かぶ、気分が晴れる、アイデアが湧くことが多い。スマホを持たずに歩くことで、「動く余白」が生まれる。④ 一人旅・ひとり時間。誰にも話さず、誰からも話しかけられない時間。孤独ではなく「自由な解放感」。外部からの評価軸から外れて、「素の自分」に還る時間。⑤ 瞑想・呼吸法・座禅。余白を「能動的に作る技法」。心の「ざわつき」を鎮め、思考の濁りを沈殿させる。現代ではマインドフルネスとして西洋でも広く浸透。⑥ 非効率な時間(手間をかける、遠回りをする)料理を一から作る、手書きで手紙を書く、掃除を黙々とする。効率は低いが、心の深部に作用する。「やらされ感」ではなく「選んだ不便さ」が鍵。⑦ 芸術との接触(音楽、絵画、文学、舞台など)理屈や効率を超えた領域に触れることで、脳がゆるむ。自分の中の“奥の部屋”がノックされるような感覚。とくに「間」を活かした日本文化(能、俳句、茶道など)は余白的効力が強い。
【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信。朝食。執筆。昼食。執筆。買物。移動準備。大相撲観戦。夕食。阪神タイガース観戦。新中野-箱根峠。(一言)阪神連敗。
【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)自律性を整える。Tarzan 特別編集
【OUTPUT】マンダラチャート維持
