洞察

昨夜の宴席での私のコメントをまとめてみる。シニアライフについて聞かれて回答・議論。

・身体の経年劣化は本格的に60才代で始まる。サラリーマン生活と引退生活とでは想像以上に違う。やってみなければわからない面が多い。
・(2拠点生活でなく)新中野のマンションだけでは間が持たなかった可能性大。もっとも、新中野のマンションだけでは還暦引退の選択肢もなかった可能性。
・2拠点生活(2週間@箱根峠-1週間@新中野、100km/90分間を月3回ペース、移動時に清掃・整頓)で、旅行のエネルギーを吸い取られて強く旅行したいとは思わない。
・良好な夫婦関係(相手の心を相互に読みながらオープンコミュニケーション)、適切な家事分担(人間は本来飽きやすく集中力が低い=命にかかわらなければ無理をしないので、極力細切れにして阿吽の呼吸で不得意分野を避けながら分担するとストレス低い。また、生活リズムを作るために家事実行は必要でもある)が重要。
・過去を総括すると、組織(学校18+会社37.5年間)を軸とした生活で、意識してなかったが最大のテーマは、資本主義(効率至上主義、貨幣価値中心主義、もっともっとと煽り煽られる文化・雰囲気)社会を生き抜くことだったことに気づく。
・シニアライフを楽しもうとすると(そのおかげで社会発展が実現したことに感謝しつつも)資本主義発想は邪魔で「寄り道」や(非貨幣価値ベースの)自分独自の満足感が重要とわかる。なお、人間は、(自己の生命が守られている前提で)自己よりも他者のために頑張る時にエネルギーが出て満足感が得られる傾向があり、資本主義的な損得勘定はむしろ邪魔。
・そんな中で「資本主義社会を生き抜くこと」に代わって見えてきた大きなテーマが「人間を突き詰めること」。
・人間は他の動物比、1)過去の蓄財で生き延びることが可能な社会・経済システムを持っている、2)自己が死ぬことを知っている(人間オリジナル!)、3)多くの人は「睡眠+食事+運動+メンタル=健康」と理解し、自身の健康に能動的に働きかけることができる、4)同じように自身の能力開発に能動的に働きかけることができる、5)高いレベルで安全を確保した住居に住んでいる、6)家族関係に加えて友人関係(人間オリジナル!)通じて複層的で広範な脳内世界を構築する(友人の世界・人生を追体験、また、自身の世界・人生も他者に提供→人類の文明発展の仕掛け)、7)目の前の現実を認知・表現するだけでなく(他の動物は障害を負っても目の前の現実に対応するだけだから落ち込まない)、過去・将来に加えて各種概念まで認知・表現することができる(他の動物も言語は持っているが表現する中身のレベルが大きく違う(自然界の中で、人間のユニークネスは「個体間のコミュニケーションのレベルの高さ」「卓越した認知・言語能力」)。これらを理解すると、人間が人間を突き詰める方向性が見えてくる。生命・健康・財産・住居・家族・友人・能力。この中で、シニアライフでアップサイドを狙っていく(満足感を高める)には特に、友人関係+コミュニケーション能力が重要。ただ、(例えば、コミュニティー型組織で一緒だった)友人と昔話をしていても得られるものは限定的。常に新たなフィールドを開拓し、他者に提供できるネタを磨き続ける必要がある。具体的には、経験・他者・コンテンツ(二次情報)から学び、考え・言語化して、そのアウトプットを他者に問いかける姿勢が求められる。私は、言語化という点でこのブログサイトを利用している。
・脳内の情報が少なくなって、直観力は向上した(チャンスをチャンスと感じ即決・行動開始する余裕・余力がある)ように思うが、ネガティブバイアス(進化の過程で、ネガティブな情報に注意を向けリスク感度を恒常的に高めて生存確率を高めるDNAが生き残ってきた)には困ったもの。些細なネガティブ情報が脳内に拡大して映し出されて居座る傾向を感じる。各自が自らの特性に沿った対策が求められる(心配事の97%は実現しないとのこと)!
・ということで、「シニアライフは悠々自適」と単純な話ではなく、実はその中で自分自身が満足度を高めるのは結構大変(従来のマインドセットから脱却して、新たな枠組みの中でパーツの再組立てが必要)ということが分かった!
・(昨今の相続事案へ関わりを通じて)死の準備を含めてその人の人格・見識。状況に応じて、周囲に過度な迷惑が掛からないように、資産整理+遺言、死後事務サービス、生前サポート(身体的and/or脳的劣化対応)のアレンジが求められる。
・(慶應も一種の宗教かという話の中で)宗教は、人間の奥底のフアフアとしてところに鉄板を敷くようなもの。強さを得る一方、(突き抜ければ高い境地に達するかもしれないが一般的には)思考の深さ(=人間としての奥行き)を限定的にする可能性がある。 個人的には、神道※ぐらいが程よい。
・(家計の話の中で)国の年金ネットでこれまでの厚生年金積立額がわかる。労使折半を踏まえれば、その2倍が官ファンドの大きさと考えることができる。それに、退職金見合いが企業年金原資(民ファンド)となる。日本の大手企業を勤め上げれば(かつ、配偶者も勤務経験があれば一定の厚生年金積立額があり)、その官民ファンドの総額は夫婦で1億円程度になり(直接保有財産以外に持つ)、500万円x20年間=1億円で取り崩すことをイメージ。なお、終身性年金資産=長生きリスク保険。

※ 神道には教祖・教義・救済はない。神道では自然(八百万の神)が超越的存在で、人間はそれを単に感じつつ自己対話するだけだ。つまり、救済(含む境内での祈願)を求めても救済は無く、祈願は自己対話で、自然/八百万の神に聞いてもらうだけだという建付け。超越的存在(自然/八百万の神)に対する畏怖の念を抱いて生きる(=自然に宗教心/一方的な信仰心をもって生きる)ことで、 心の平穏を得る。もっと言えば、自己自身が(人間は自己認識や自由意志を持つ=発達した人間の脳が色々と考えるものの、所詮)自然の一部であることをしっかり認識するということだと理解している。

【今日の1日/晴】6時起床。家事一般。情報byTV・新聞。サイト運営。SNS受発信。朝食。上記昨夜の発言を文書化・共有。昼食。郵便局-喫茶店-買物。スイム-9人打ち上げ宴席@芝公園タイめし(昨夜は鯛めし!似て非なるもの)。阪神タイガース観戦。就寝。(一言)阪神強し!

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