「人生は物語である」。耳にしたことがある言葉だ。また、紫式部を描いた今年の大河ドラマの中でも「(源氏)物語」がでてくる。最近の私の研究では、人間はネガティブな思いを化石化して、ポジティブな思いを意識的に育てること、そして、過去や未来に飛びやすい心を制御して、一瞬一瞬(今)に意識を集中することが大切だ。その目的で「人生は物語である」は使える視点だ。話はずれるが、宗教が提示するのは突き詰めれば「心の持ち方」で、「(人生)物語は、人間自身の在り方を規定し、人間自身がどのように生きていくかを支えてくれるもの」と位置付ければ、「人生は(一連のひとつのオリジナルな)物語である」は宗教と肩を並べるほどパワー・影響力があるかもと思ったりする。
「どんな悲しみでも、それを物語に変えるか、それについて物語れば、耐えられる」(All sorrows can be borne if you put them into a story or tell a story about them.)とは、デンマークの小説家であるアイザック・ディネーセンの言葉だ。また、教育人間学のオットー・フリードリヒ・ボルノウは、人間が本当に主体的に、厳しい現実を生き抜き、しかも心に安らぎを覚えることができるのは、自分がどこかで大きなものに包まれているという感覚を持ちうるときであるとして、その感覚を被包感・庇護性と呼んだ。家庭とか、住まいといったものは自分を包んでくれる働きをしているし、それらは人間が本当に活力をもって生きることができる基本条件ということ。(人生)物語も、概念的ながら、被包感・庇護感を提供してくれると思う。
また、「人間は生きることに意味を求めずにはいられない存在」とすると、(人生)物語はそれに対しても威力・効果は大きい。物語とは、物事をつなげることであり、つなげることで意味をつくりだし、あるいは、意味をつくりだすことで、物事をつなげて物語は作られていくものであるからだ。
人生は物語である。①失敗しても、単なる物語の1コマ。大きな失敗も、物語の中のある1ページで起こった出来事。次のページでは、新たな物語をまた紡ぐことができる。②不幸ではなく試練・成長の糧。自分はこの物語の主人公だ。主人公というフィルターを通すと、客観的に不幸や苦労は試練・成長の糧と見なすことができる。③どんな選択肢を正解を求めて迷いながら選んでも物語は続く。選んだ選択肢を正解にするスタンスでよいのだ。④結論を急ぎたくなる(不安を一掃したい)のは人間の性ながら、終わってみないとどんな物語だったのかを語ることはできない。長い目で一連の流れとして見ることが大切だ。⑤すべては物語のスパイス・伏線。初めから終わりまで絶えずクライマックスが続く物語はない。静と動、明と暗、喜びと悲しみが織り交ざるのが普通だ。⑥新たな章をいつでも始めることが許される。つまり、物語を大きく転換させる自由がある。⑦勝ち負けはない。誰かの生き方と比べて一喜一憂するのではなく、オリジナルの物語を紡ぐことそのものに価値がある。自分だけの物語をそれぞれが生きている。一瞬一瞬(今)を大切に過ごせばよい物語(人生)が出来上がる。また、主人公は卑怯であってはならないし、誰かのためにと思う心で盛り上がる。
我が人生の章立ては以下の通り。①1962-2008/46年間「起」生まれて教育を受け就職・結婚をして2人の子供をもうけた。また、12.5年間@海外(含む2年間の大学院留学)で多様な経験を積んだ。仕込んだ。②2009-2018/10年間「承」介護・見送り、教育完了、転職・妻フルタイム就労、蓄財(不動産投資・負債運営)、墓・仏壇手配と多忙な東京ベースの10年間。展開した。③2019-2024/6年間「転」別宅@箱根峠入手(2拠点生活)、在宅勤務2.5年間(夫婦とも)、卒サラ@還暦(主夫・投資家・年金受給者生活)、フルリノベ@新中野(住環境・家財見直し)、ブログを核にOUTPUT活動(ライフワーク探し・心の持ち方探し)、子供達独立、各種総点検(含む家財断捨離)でリセット。切り替えた。④2025/62才-2029/67才/5年間「結-前編」本格的なシニアライフにむけて最終準備(身体-増強、心理-心の持ち方模索、経済-無借金化、帰属-範囲・深度、スタンス、価値観、ライフワーク-出版)。備えた/備える。⑤2030/68才-「結-後編」本格的なシニアライフ。締めた/締める。物語は今③から④に進もうとしている。
【今日の1日/晴】7時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信。朝食。会社事務。昼食。購入したスピーカーセットアップ。ブログ書き。夕食。就寝。(一言)
【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)夢をかなえるマンダラチャート ブッダが教える心の仕組み:52の「心所」で読み解く仏教心理学入門
【OUTPUT】マンダラチャート維持。