脳力=想像力

脳の重さは、サルが総じて400gであるのに対して、人間の成人では1200-1500g。これこそ進化の証/原動力だ。では、この増強された脳により何が変わったのか?

①「過去」を記憶できるようになり、加えて「未来」を想像できるようになった。「過去」-「現在」-「未来」とつなぐ中で時間の概念を得て、さらに、自らが死ぬことを認識した。なお、人間以外の動物は「現在」しかない(=自己の死の認識は無い)。

②共同生活する他者の心を想像できるようになり、コミュニケーション能力が格段に増し、最大150人レベル※のチームワーク/共感力を可能にした。具体例で言うと、狩りに行く時、自分には仲間が何人いて、いくつ持って帰ってほしいと期待されているかを想像できるようになった。言い換えれば、物理的/身体的な感覚だけでなく脳/言葉で他者とつながれるようになった。そして、音楽・言語・文字の発明につながっていった。この進展は、一面で自他区分を通じて自己意識・自我の確立につながった。なお、人間以外の動物に自己意識・自我はない(高度霊長類にはあるとする学説はある)。別の例を挙げる学者もいる。人間の母子関係が脳/言葉で他者とつながれるようになったポイントであると。サルは毛深く、赤ちゃんサルは常に母ザルにつかまっている/まることができる。脳が大きくなって相当程度早産で生まれるようになった人間の赤ちゃんは自力である程度動けるようになるには約1年を要し、赤ちゃんサルのように母親につかまることもできない。人間の母子は、物理的に離れることが多くなり、その環境下、脳/言葉で他者とつながれるようになったと。

③より安全で便利な生活を想像して、その実現のために道具に工夫を重ねた。結果として、石器、縫い針、土器、車輪、弓矢、紙など、さまざまな道具を考案した。

④目に見えないコンセプト/概念を想像できるようになり、向上したコミュニケーション能力でコミュニティー内で共有した(7万年前に起こったとされる認知革命)。神話・宗教、国、貨幣などだ。ホモサピエンスは、最大150人※(←身体的にひ弱な人間が熱帯雨林に出て生き伸びるための方法論)のコミュニティーで生活していたが、この認知革命のおかげで(特に貨幣の力は強大で)、はるかに大きな集団が形成されるようになった(加えて、1.2万年前に起こった狩猟採集生活→農耕生活で食物/カロリーが安定的に増産され、現在の地球規模の大きなコミュニティーが出来上がった。人口500万人→80億人)。なお、人間以外の動物は直接的に生存・生殖に関わる「群れ」は作るが、目的・意志を持ってコミュニティーを作ることはない(脱線するが、脳/言葉によるつながりは、信頼関係をつくる上では不完全で、今でも最終的には身体的なつながりに依らざるを得ない)。

※ 脳の容量が500ccの時代の集団の最大サイズは15人。150万年前には脳の容量が600ccに増えたので、30-50人の集団に。そして60万年前に脳の容量は1500ccに達し、人間は最大150人の集団を形成。この頃から現代に至るまで脳の容量は変わっておらず、今の人間も実は「150人の集団」のための脳しか持ち合わせていない。

【今日の1日】6時起床。家事一般。情報by新聞・TV。朝食。ブログ書き。SNS受発信。昼食。YouTube。10mTV。夕食。(一言)人類史や脳科学について、同じようなことを書いているが、少しずつ広げ・深めている! これらの分野に完全にはまった感あり。面白い!!

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