脳の喜び・悲しみ

過去2ヵ月間、脳について、見聞を広めてきたが、この見解が一番奥が深い。もう20年前に亡くなられた脳科学者の松本元氏のものだ。

①動物の赤ちゃんの中で、 人だけが生理欲求の充足のためのおっぱいを吸う行為の中で、 間欠的に母親とのコミュニケーションを求める関係欲求の充足のための行為(赤ちゃんがお母さんからの語りかけを引き出そうとして、 おっぱいを飲むのを中断する等 )を示す。 一方、猿やチンパンジーの行動観察実験では、 赤ちゃんはおっぱいを一気飲みだ。 人は人との絆が動物の中で特に強化された動物である。②生物は、 生理的欲求関係欲求の充足、及び、 性分離が起こった後の動物では性欲求の充足の3つの基本欲求(「食寝性+関係性」)の充足に向けて行動規範を作り行動する。③コンピュータの目的は作られたプログラムに従って情報を出力することである。一方、脳の目的は、 自ら情報を選択すること、 そして選択した情報を処理するための仕組みを創り出すことである。 脳は、 情報処理の仕組み(プログラム)を獲得することが目的で、 出力(試行錯誤)することはそのための手段である。つまり、人生の目的はどれだけのこと(出力)を成すかではなく、 情報処理の仕組みを創ること、 いわば高きに向かって成長するプロセスそのものである。④人は成長するプロセスそのものに目的があるので、 人を出来高で評価することは、 脳本来の目的に適わず人を苦しめる。人の幸福はその人の居る位置 (その人の出来高) ではなく、 高きに向かって進もうと努力するその傾きの度合。人の評価を出来高評価からプロセス評価に変更すべき。人は夢の実現に向けて取り組んでいる時に幸せ感があるように創造されており、挑戦し生きることで輝く。⑤脳は処理すべき情報をまず自己設定し、 その設定した目標を処理するための仕組みを自己獲得する。人が人以外の動物と決定的に違うのは、 人においてのみ脳自身が脳の内的世界としての目標を欲するという点。 人は前頭前連合野が異常進化した動物であることから、 内部世界が行うべき情報処理の目標を内部世界の環境の中から自己設定することに至った。 これに対し、 人以外の動物では、 前頭前連合野はいろいろな種類の感覚情報の意味概念を統合する場として用いられる。⑥脳は成長することが目的であるので、 成長の具体的指標としての目標が必要ではあっても、 目標を達成することが脳の目的ではない。また、我々は自分が一番上位とする目標に振り回されるので、我々の思いをはるかに超えた存在に対する畏怖の念を抱いて生きることで、 平安を得るという人生もあり得る(→宗教等目標の外部化/絶対化)。⑦人が 「判る」 ということは、 行動、 言葉、 感情、 考えなど脳から出力することを通して、 これらの出力の源となっている脳の内部世界に対して共感することである。⑧脳はその目標に挑戦し続けることで、 その解決への仕組みを獲得するから、 脳を創る鍵はこのエネルギーを得て挑戦し続けることである。 他者or自分が自分を受容することができれば、 苦しく困難な状況に立ち向かうことができる。 ⑨脳は自分で目標を設定し、 そのことを成すための仕組みを創る。 脳が目標を自己決定し、 このための情報処理の仕組みを獲得することで人は輝く。ただし、悲しいかな、脳は環境によって創られる面も強く 「門前の小僧、 習わぬ教を読む」のように環境に対処するための本来の脳を偽って脳を創ってしまう面がある(→現代人の脳は無理を強いられている)。

【今日の1日】5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。SNS受発信。朝風呂。朝食。サイト運営。昼食。新中野-買物-箱根峠。夕食。阪神タイガース観戦。(一言)人間は奥が深い生物だ。その奥深さを自らの言葉で語るようになりたい!


 

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