多くの場合、人の意識は「今ここ」から離れていまる(人の脳は放っておくと「今」にとどまらない性質がある)。心理学・脳科学の研究でも、人はしばしば過去の出来事を思い返す(反芻)か、未来のことを考える(予測・計画・心配)ことに意識を奪われているとされいる。特に有名なのは、ハーバード大学の研究(Killingsworth & Gilbert, 2010)で、人の意識は約47%の時間、「今していること以外」にさまよっていおり、しかも、意識がさまよっているときほど幸福度は低いとされる。これは脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の働きと関係する。DMNは何もしていないときに活性化し、過去や未来のこと、他人の気持ちなどを勝手にシミュレーションする。便利な機能ながら、「今ここ」から意識を引き離す原因にもなる。過去や未来を考えるのは進化的に重要だったが(本来は生存に有利な仕組みだが)、現代ではストレスや不安の温床にもなる。意識的に「今ここ」に戻す習慣(マインドフルネスなど)が幸福度を高める。これを踏まえると、「今ここ」に留まるためには、潜在意識そのものを直接コントロールするより、注意の向け先を意識的に切り替える方法が有効。
要は、人類の脳は生存最優先モードで設計されており、その副作用として「今ここ」に留まりにくくなっている。哺乳類は、「過去の経験を未来予測に使う」という能力を獲得し、今ここから意識を離してでも生存確率を上げる方向に働くようになった。不安や警戒心は生存戦略の副産物だ。さらに、ホモ・サピエンスは前頭前野を発達させ、言語や抽象思考を獲得。これにより、潜在意識は「未来の詳細なシナリオ作成」や「他人の心の読み取り」が可能に。しかし、前頭前野とデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の連携により、脅威がなくても延々と過去・未来を再生する癖が生まれた。進化は「今ここにいる能力」より「未来を予測する能力」に報酬を与えたと言える。現代社会では、サバンナ時代のような即時的な脅威はほぼ消滅。それでも潜在意識は、生存のために常に何かの危険や不足を探すように動く。その結果、意識は「今ここ」から離れ、過去の後悔(なぜあの時…)、未来の心配(もし〜だったら…)へと自動的に飛びやすくなる。現代人がマインドフルネスや瞑想を必要とするのは、この進化的なバイアスを意識的に上書きするため。
【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信。朝食。庭整備。調理(茶碗蒸し)。昼食。執筆。庭整備。知人とビデオ会議(リノベ・会社設立)。夕食。阪神タイガース観戦。就寝。(一言)阪神惜敗。。。
【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)自律性を整える。Tarzan 特別編集
【OUTPUT】マンダラチャート維持
