人間のユニークネス

食物連鎖の中で激しい弱肉強食の闘いを展開している時は、生き抜いて子孫を残せば目標達成だった! 二足歩行・脳の発達→火や各種道具の開発・利用→(ホモサピエンスに至っては)大きな組織を運営できるようになり1.3万年前に旧人類も退け食物連鎖の頂点に立った。その後、人類の歴史250万年の相対感ではきわめて短期間に、農業革命・科学革命・動力革命・産業革命・情報革命を次々に展開し文明を発展させてきた。

人間はその過程で、他の動物には考えられないレベルの余裕・余力を得る一方で、逆に色々と思い悩む事も多くなった(人間の進歩が急すぎて脳の進化が追いついていない=人間の心・体は農業革命以前の狩猟時代のまま)。①食物連鎖の頂点→身の安全度上昇(余裕・余力1)→人生の目的を自問・自答(←人間以外の動物から見れば不遜な問いで、科学的・生物学的視点で言えば人生に目的・意味など無く単なる進化の過程なのに。。。)。②組織の中で共同・協働生活→予測・計画可能性上昇(余裕・余力2)→自利vs他利の葛藤・人格/人間性や時間軸にハイライト(←生き抜いて子孫を残せば目標達成と単純明快ライフだったのに。。。)。③役割・機能・職業分化→全体として経済力・生活力上昇(余裕・余力3)→ヒエラルキー・格差・不平等が発生し、また、細分化によって全体感が喪失し、心の持ち方が求められるように(←農業革命以前は、皆平等で、他者との比較など気にする必要が無く、また、全体感をもって生活できていたのに。。。)

この様な他の動物にない人間の(贅沢な!)思い悩みに対して、人間は神という概念を発明し、自我・自己を神に委ねて自身の苦悩・不安を軽減・解放させようとしてきた。ただ、当然ながら神自体は何も語らず多くの人にとっては物足りない。それでも日本のように(非日常的に各種大規模災害が発生するが)総じて日常的な自然環境がそれほど厳しくない場所では開祖・教義・救済の無い神道(≒神認識only)や八百万神で概ね対応できたが、世界一般では(←宗教は総じて日常的な自然環境が厳しいところで生まれている)、神認識を集団の中で安定的に機能させるためには仕組み・ストーリー(つまり、開祖・教義・救済のある宗教)が求められた。神認識=山の頂上・ゴールとすると、宗教はいわば登山道であり、キリスト教、イスラム教、仏教等、色々な登山道が地域特性を伴って考案されてきた。宗教は死後を含めた将来をストーリーとして語ってくれるので、人間は(神認識だけでは物足りず)宗教の方を向き易い。違う言い方をすると、人間は上記①②③に対して各自がしっかりと回答・実践すればそれでOKなのであるが、それができない人/面倒と思う人/気づかない人が、手っ取り早く(神認識onlyも超えて)宗教に頼るということ

科学革命以降、神の領域・カバレッジは相当程度縮小してきたが(例:雷は神の怒り→単なる電流)、それでも宗教は、他者が作ったストーリーを心の深部に受け入れることに抵抗がない人にとっては、歴史の長さから来る信頼感なのか、心のよりどころ(心の持ち方を教えてくれる源)として健在だ。ただ、宗教心の強い人は、個人的な経験で言うと、信仰する宗教にかかわらず、「強い」と感じる反面、残念ながら「浅い」とも感じる。前述のような人間特有の扱い難い心の持ち方の問題を、自分自身で深めず、信じる宗教の教義で代用しているからだと思われる(教祖≒会社の創始者は上記の①②③を深く考え抜き教義≒社是を作り上げた一方で、信者≒サラリーマン社員は単なるフォロアーなので迫力不足)。話しはそれるが、個人的には、資本主義・自由主義・民主主義が現在版の宗教ではないかと思うが。。。

 (2022年9月26日のブログを修正し再掲)神または何らかの超越的絶対者などは、科学的な視点ではあり得ないが、人間があえて想定することにより、その精神的土台=心のよりどころ・持ち方を考えるベースとなりえるということだろう。実際、私も、月に1回程度は箱根神社にお参りして「よろしくお願いします!」と言って二礼二拍一礼し、おみくじで神の言葉に耳を傾ける!! 日本風土の懐の深さが生んだ神道に開祖・教義・救済はないものの、自然(神社のなんとも言えない雰囲気)の中で自己を客体視(自己対話・鏡に自己を映す)する機会を提供してくれる。これ(東京に常駐している時は明治神宮だった)と葬式/法事仏教として先祖から継承した浄土宗が私にとっての宗教らしきものだ。なお、キリスト教(プロテスタント)の学校に10年間通ったのでキリスト教の概略は理解している(つもり)。

うーん。(旧統一教会問題→科学がこれだけ発展した現代社会においても宗教が一定のパワー→人間の心の脆弱性→文明の急激な発達に追いつかない脳の進化)人間の心の深部に少しは迫れたか。。。旧統一教会関連の多数の報道の中で、卒サラ後の「余裕・余力」を利用して(過去のブログも繋ぎ合わせながら)、結構な数の人間がなぜあんな「宗教?」にはまっちゃうんだろうと考えてみた。

【今日の1日】4:30起床。ブログ書き。朝風呂。朝食。来客準備。芦ノ湖畔案内for来客。ランチwith来客@自宅(20代女子2人)。来客見送り。夕食のメインはブイヤベース。祝阪神タイガースクライマックスシリーズ第一関門突破!  箱根峠は終日霧。

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