脳に安心

人間の脳は、進化の大半を狩猟採集の環境で過ごしたため、今も深層では「危険を最優先に探知する」設計になっている。生存にとって致命的だったのは、「危険を見逃すこと」であり、脳は安全が確認されるまで警戒をゆるめない。ところが現代社会には、老後不安、評価、SNS、ニュースなど、正体が曖昧で、長期的で、抽象的な「危険のような刺激」が常時流れ込み、脳は過負荷の警戒モードに入りやすい。狩猟採集脳が求めているのは、実のところ、ごく基本的な3つの条件である。

第一に 予測可能性。生活のリズムが一定し、次に起こることが見通せるとき、脳は安心する。朝のルーティン、家の動線の明確化、物の定位置化などは、進化OSへの“安全シグナル”となる。第二に コントロール感。状況を自分で調整できるという感覚があると、脳はストレスを半減させる。小さな選択を自主的に決める、予定に余白をもたせる、環境を自分の手で整えるといった行為は、現代的な「自己決定の狩猟採集」であり、文明OSによって奪われがちな主導権を取り戻す作業でもある。第三に 身体からの安全信号。進化OSは言語による説明では安心せず、呼吸の深さ、筋肉の緩み、自然光や風の刺激といった身体的手がかりで安全を判断する。ヨガや散歩、光と風の調整、十分な睡眠は、身体を通じて脳を安全モードに切り替える最短ルートである。

結局、安心とは心の問題ではなく、進化OS・文明OS・個人OSの整合を回復する作業にほかならない。文明OSが生む過剰刺激を弱め、生活OSを進化OSに合う形へ調整すれば、脳は本来の静けさを取り戻し、日常は穏やかな安定感に満たされていく。

【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信(含むブログ)。オイルうがい+白湯+朝ヨガ。料理。朝食(知人も)。4人ゴルフ(含む昼食)。夕食。執筆。就寝。(一言)大学時代の同期ゴルフ。40年間の時を超えて。。。

【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)心配事の9割は起こらない 枡野俊明

【OUTPUT】マンダラチャート維持

コメントする