文明は「外在化できる生物的プロセス」には、かなりの成功を収めてきた。しかし「内在的・自己参照的なもの」には失敗し続けている。外在化とは、本来「身体・衝動・内的プロセス」として人の内側で起きていた働きを、人の外部にある〈物・制度・環境・反復手続き〉に移し、当人の顕在意識が介入しなくても機能するようにすること。ポイントは、「外に出す」+「考えなくて済む」この両方が満たされること。
文明が「制御に成功した」生物的なもの(⑤以降は部分成功)。① 生殖(身体・行為)。避妊、出産管理、婚姻制度、家族制度。身体行為 × 技術 × 制度で外に出せた。② 食(身体・環境)。農耕・保存・流通、栄養学、食事時間の固定化。環境操作が可能。③ 暴力(衝動・闘争)。国家独占暴力、法・警察・軍、刑罰制度。衝動を制度に委譲。④ 排泄(身体機能)。トイレという完全外在化装置、公衆衛生、下水・水洗化。恥・不快・感染リスクをほぼ生活の外に追い出した。⑤ 病気(生存不安)。医療、ワクチン、公衆衛生、保険制度。完全制御ではないが、 「恐怖の即時性」を大幅に低減。ただし
死の不安そのものは制御できていない→ ここを宗教が担った。⑥ 時間(生体リズム)。時計、暦、労働時間、学校時間。身体の自然リズムを、人工的時間に上書き。これは成功したが、代償が大きかった。睡眠障害、慢性疲労、自律神経の破綻。⑦ 性衝動(欲情)。道徳、タブー、規範、エンタメへの代替転換。抑制・転換はできたが、消すことはできない。ここも、制度+物語(宗教・道徳)が必要だった。⑧ 所属欲・群れ衝動。国家、会社、学校、組織。部族的本能の置き換え先を作った。これも外在化成功例。ただし、アイデンティティの過剰同一化が副作用。
逆に「制御に失敗し続けているもの」。❌ 顕在意識(思考・意味づけ)。自己参照、評価装置、不安生成装置。制御主体そのものなので外在化できない。❌ 死の意味づけ。死は管理できても、死の恐怖・意味は管理不能。宗教が最後まで担い続けた領域。文明は、身体や衝動を外に出せるものは制御できたが、内側で自分自身を参照するものは制御できなかった。顕在意識は:観察者、判断者、制御者を同時に担うため、外在化できない最後の生物的機能。
生殖 → 技術、食 → 環境、暴力 → 制度、排泄 → インフラ、病 → 医療、所属 → 組織と来て、顕在意識だけが、宗教という物語的・間接制御に依存せざるを得なかった。その宗教的制御も限界に来ている。顕在意識とは、文明が1.2万年かけていまだ外在化できていない、最後の生物機能である。
外在化の成立条件(4つ)。① 顕在意識を経由しない。毎回「どうするか」を考えなくていい。判断・意思決定を要求されない。自動化・半自動化。② 失敗しても自分の問題にならない。罪悪感、自己否定、精神的苦痛が発生しにくい。個人の内面責任から切り離されている。③ 再現性がある。誰が使っても、ある程度同じ結果が出る。個人の資質に依存しない。④ 集団・文明レベルで共有できる。インフラ、制度、道具、慣行として定着する。
生殖の外在化。❌「欲情を抑えよ」⭕ 避妊具・制度・医療。欲情はそのままでも、結果は制御できる。食の外在化。❌「空腹に耐えよ」⭕ 農業・保存・流通・冷蔵庫。空腹と毎回向き合わなくていい。暴力の外在化。❌「怒るな」⭕ 法・警察・司法。怒りを内面処理しなくていい。排泄の外在化。❌「恥を克服せよ」⭕ トイレ・下水・清掃。身体反応が即処理される。
なぜ顕在意識は外在化できないのか。顕在意識は:判断主体、観察主体、制御主体。外在化しようとした瞬間に、外在化を判断している主体として立ち上がってしまう。つまり、外在化の対象でありながら、外在化の実行者でもあるという自己参照構造。宗教は「準・外在化」だった。宗教は、神、教義、戒律、物語、儀礼を使って、顕在意識の判断を、外にある正しさに一時的に預けるということをした。これは:完全な外在化 ❌しかし直接制御よりはマシ ⭕️。間接外在化(擬似外在化)。
思考を管理する ❌正しい考え方を選ぶ ❌ではなく、思考が必要ない状態を、環境・時間・身体配置として先に作る。これは、顕在意識そのものではなく、顕在意識の出動条件を外在化しているという、非常に高度な外在化。外在化とは、人間が自分の内側で処理しきれないものを、自分の外側にある仕組みに移し、考えなくても回るようにする文明技術である。そして、顕在意識は、その外在化がほぼ不可能だった最後の生物機能。
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