貧すれば鈍する

よく耳にする「貧すれば鈍する」は、「暮らしが貧しくなれば、心までも貧しくなる」という意味で使われる。「どんなに物がなく生活が苦しくても、心だけは清らかで温かく、豊かでありたい」ものの、一部の方を除き一般的にはハードルが高いだろう。「貧すれば鈍する」ラインを割らないことは実に大変大切なことだ。なぜならば、人間は一定の余裕をもって初めて人間らしく振舞えるからだ。

人間に限らず全ての生物にとって最重要事項は①「生き延びること」(生存、「ライスrice・ワーク」)だ。人間(他の動物とは一線を画す知性・技術を持ち、地球全体に影響を与える存在)はそれを確保した上で②「気持ちよくなること」(快楽・幸福、「ライクlike・ワーク」)や③ 「意味を見つけること」(自己実現・目的、「ライフlife・ワーク」)を目指すことが大多数だろう。①をクリアーした上で余裕を得て、②や③を展開することが人間らしいことの第一歩だろう。

また、「貧すれば鈍する」という言葉は前述の「金銭的な貧しさ」だけでなく「精神的な余裕のなさ」にも使われることがある。脳のキャパシティには限界がある(人間の脳は処理できる情報量に限界がある)。お金の心配をしていると他のことに集中しにくいし、 仕事でストレスが多いと家族との会話が雑になるし、疲れていると簡単な計算すらミスするだろう。脳のメモリ-を解放し、脳に休息を与え、(脳にネガティブな影響が及ばないように)生活環境を整えて、精神的な余裕を得ることも人間らしさを得るために大変大切な前提だ。

人間は、一定の金銭的・精神的余裕を確保することで、生存以上の価値(幸福・意味等)を追求する選択肢を持っている。私は約2年前にフルタイムサラリーマンを引退した。(後付けかもしれないが)一定の金銭的余裕を得たと判断し、引退により精神的余裕を確保することで、生存以上の価値(幸福・意味等)を自分なりに定義・追求しようとしたと言える。

「気持ちよくなること」(快楽・幸福、「ライクlike・ワーク」)について考えてみたい。心は4種類のアウトプットを発する①感情(喜び・怒り・悲しみ)、② 思考(分析・論理・推論)、③ 意志・選択(決断・行動)、④ 創造(芸術・アイデア)だ。なお、満足感を感じるパターンは以下の4パターンだ。つまり、幸福感には②思考、③意志、④創造とも関係するが、直接的には①感情だ。では、(あらためて)感情とは何か? 感情とは、脳が環境に適応するための生理的なシグナル(信号) で、脳内の化学物質(ホルモン・神経伝達物質) によって作られる。つまり、感情とは 「脳が状況に応じてホルモンを分泌し、適切な行動を取らせる仕組み」 で、生存と繁殖(+他者とのつながり、新規性のあることに挑戦等)を助けるために進化してきた。

脳内ホルモン満足感のタイプ出るとき
ドーパミン達成・報酬目標達成、新しい挑戦、SNSのいいね
セロトニン安定・幸福自然・リラックス・規則正しい生活
オキシトシン愛情・絆人とのつながり・感謝・スキンシップ
エンドルフィン快楽・鎮痛運動・笑う・音楽・チョコ

【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信。朝食。庭メンテ。ゴルフレッスン-昼食-買物-買物-ガソリンスタンド。夕食。就寝。(一言)

【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか? ヒトの進化からみた経済学 P・シーブライト

【OUTPUT】マンダラチャート維持

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