AI時代の知的創造①

AI時代の知的創造は「考える」から「循環する」へ。最近、一冊目の本を書き終えようとしていて、ひとつ面白いことに気づいた。私は長い間、知的創造とは「深く考えること」だと思っていた。しかし、一冊を書き終えようとした今、振り返ると、私が実際に行っていたのは少し違っていた。この本は、書斎に閉じこもって考えて生まれた本ではない。還暦で会社を辞め、生活を変え、箱根と東京の二拠点で暮らし、多彩な人と接するよう心掛け、妻とも何でも話し合い、友人とも積極的に意見を交わし、そしてこの1年間はAIとも毎日のように対話してきた。そうした日々の積み重ねの中で、この本は少しずつ育ってきたのである。

振り返ると、卒サラ後の3年間余り、私はひとつの循環を繰り返していた。観察する-対話する-身体で確かめる-また観察する。最初は、この循環がそんなに特別なものだとは思っていなかった。しかし最近になって、これはAI時代の新しい知的創造の方法なのではないかと思うようになった。

これまで知的創造といえば、「深く考えること」が中心だった。しかし私が経験したのは少し違う。観察し、対話し、生活の中で確かめ、また観察する。その循環そのものが、新しい発見を生み出していたのである。そして、この循環を劇的に変えたのがAIだった。AIは観察を代行してくれない。自然の中を歩くことも、人と出会うことも、違和感を感じることも、身体で確かめることも、人間にしかできない。しかしAIは、その間にある対話と構造化を驚くほど高速化してくれた。

以前なら、1週間、1ヵ月間かかっていた整理が、1日で何度も回る。徒歩だった知的創造が、新幹線になったような感覚だった。だから私は、AIによって頭が良くなったとは思わない。速くなったのは思考ではない。知的創造の循環そのものだったのである。

これからAI時代が進めば、多くの人が「良いプロンプト」に注目するだろう。しかし、本当に重要なのは、その前にどれだけ世界を観察してきたかだと思う。人生そのものが素材であり、AIはその素材を整理する編集者である。

だから、人間の本業は、やはり観察なのだろう。そして私は、これからもこの循環を続けていこうと思う。観察する-対話する(AIとの対話で高速化)-身体で確かめる-また観察する。これが、AI時代に私が見つけた知的創造の方法論である。

振り返ると、人類はさまざまな方法で知的創造を行ってきた。思索を中心にする人もいれば、観察や実験、対話を中心にする人もいる。私は今回、一冊の執筆を通して、AI時代にはもうひとつの型が生まれつつあることを実感した。この瞬間も、多くの人がAIとの対話を通して、自分なりの「観察循環型」の知的創造を試みているのかもしれない。

参考:知的創造の方法論

方法論中心得意な対象代表例
思索型深く考える哲学・数学・論理体系デカルト、カント
観察型世界を観察する生物・自然・人間・社会ダーウィン、南方熊楠
実験型仮説を試す自然科学・工学・技術開発エジソン、科学的方法
対話型問答で深める倫理・教育・哲学・合意形成ソクラテス、プラトン
編集型知識を統合する歴史・教養・ノンフィクションハラリ
身体実践型身体で理解する武道・芸術・技能・禅世阿弥、武道家、職人
観察循環型観察→対話→身体化→再観察人間・教育・経営・医療(生活習慣)・
AIとの協働・
組織のような身体で検証可能な複雑系
私 with AI

複雑な対象を扱うための循環型が、AIによって現実的な速度で回せるようになった!? 「人間とは何か」は、実験だけでも、思索だけでも、観察だけでも捉えきれない。観察し、人と対話し、AIで構造化し、生活で確かめる。その往復によって少しずつ理解が深まる対象。身体で検証できる複雑な対象に対しては、この循環型は非常に有効である。

【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。情報by新聞・TV。サイト運営。SNS受発信。オイルうがい+白湯+朝ヨガ。朝食。移動販売―知人宅―ゴミ捨て。執筆。大相撲観戦。夕食。阪神タイガース観戦。執筆。就寝。(一言) 

【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)「卒サラ@還暦 物語-自己・人間・世界を再解釈してみた」ドラフト

【OUTPUT】マンダラチャート維持

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