加齢とともに、見たい情報も限られてくる?
最近、自分が見たいと思う情報が、ずいぶん限られてきたように感じる。
昔なら新聞を広げれば、とりあえず一通り目を通した。テレビのニュースも見る。仕事に関係する情報はもちろん、政治、経済、国際情勢、新商品、流行、芸能まで、「知っておいたほうがいい」という感覚があった。
ところが、64歳を目前にした今は違う。「これは別に知らなくてもいいな」と思う情報が、かなり増えてきた。これは単に、加齢によって好奇心が衰えてきたということなのだろうか。どうも、それだけではない気がする。
若い頃は、世界の地図がまだ白い
若い頃を考えてみる。仕事をどうするか。どこに住むか。誰と付き合うか。結婚するか。子どもを持つか。家を買うか。どのくらいお金を稼ぐか。人生のかなりの部分が未確定である。だから世界のあらゆる情報が、自分の将来に関係する可能性を持っている。知らない土地の話も、新しい仕事の話も、流行しているものも、とりあえず見ておく意味がある。いわば、まだ自分の中の「世界地図」が白い。だから情報を集める。広く情報を取り込みながら、自分なりの世界地図を描いていく。これは若い時期には、とても合理的な行動なのだと思う。
年齢とともに「自分に必要なもの」が分かってくる
ところが、何十年間も生きていると世界地図がかなり埋まってくる。自分は何が好きなのか。どんな人と付き合いたいのか。何をすると心が穏やかになるのか。どの程度のお金があれば十分なのか。身体にとって何が大切なのか。残された時間を何に使いたいのか。もちろん完全に分かるわけではない。それでも若い頃に比べれば、「自分にとって重要なもの」の輪郭はかなりはっきりしてくる。すると情報との付き合い方も変わる。
広く集める。→ 選んで集める。→ 必要なものだけ取りに行く。
そんな変化が起こるのではないか。
情報量より「意味」が面白くなる
さらに最近感じるのは、知りたいものの種類そのものが変わってきたことだ。「何が起きたか」という情報を大量に知ることには、以前ほど興味がない。むしろ、「なぜ、そうなるのか」「人間とは、そもそもどういう生命体なのか」「文明は人間をどう変えてきたのか」「思考とは何をしているのか」「自分の生活と、それはどうつながっているのか」そんなことのほうが面白い。情報そのものより、その背後にある構造を知りたくなる。これは面白い変化だ。
情報の幅は狭くなる。しかし、問いは深くなる。
そう考えると、「最近、見たい情報が減ってきた」という現象も、単純に好奇心が衰えたとは言えなくなる。
ただし「選択」と「閉鎖」は違う
一方で、少し警戒したほうがいいこともある。必要な情報を選択することと、新しい世界に触れなくなることは違う。「これは自分には必要ない」と情報を選別するのはいい。しかし、「新しいものは面倒だ」「知らない人とは付き合いたくない」「昔から知っていることだけで十分だ」となってしまえば、世界との接点そのものが細くなってしまう。
高齢になっても生き生きしている人を見ていると、すべての情報を追っているわけではない。むしろ情報量は少ない。それでも、知らない街を歩く。若い人と話す。新しい店に入る。旅をする。本を読む。AIを触ってみる。
情報は減らしても、未知との接点は残している。
ここが重要なのかもしれない。
AI時代には「情報収集」から「問い」へ
そして、この変化はAI時代と非常に相性がいいように思う。これまでは、必要な情報を得るためにも大量の情報に触れる必要があった。新聞を読み、雑誌を読み、検索し、その中から必要なものを探す。しかしAIがあれば、世界中の情報を自分で浴び続ける必要はない。自分の中に問いさえあればいい。「これはどうなっている?」「なぜこうなる?」「別の見方はないか?」そう問いかければ、AIが情報の海から材料を集め、整理し、こちらに持ってきてくれる。人間側に必要なのは、情報量ではなくなっていくのかもしれない。
むしろ、
自分は何を知りたいのか。
何を大切だと思っているのか。
世界のどこをもう少し深く見たいのか。
その「問い」のほうが重要になる。若い頃は、情報を集める人だった。中年になると、情報を選ぶ人になった。そしてこれからは、
問いを持つ人になる。
そう考えると、加齢とともに見たい情報が限られてくることも、必ずしも悪いことではない。世界への関心が小さくなったのではなく、自分が世界のどこを見たいのかが、ようやく分かってきた。そういうことなのかもしれない。
【今日の1日】5時起床。家事一般。新聞+サイト運営。白湯+オイルうがい+ピラティス。朝食。歯医者-買物。昼食(焼きそば)。旅行準備。ピラティス。旅行準備。夕食。就寝。(一言)
【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)「卒サラ@還暦 物語― 人間の設計思想を再発見する物語」ドラフト
【OUTPUT】マンダラチャート維持
