現代人は、一日3時間スマホの中にいる!
現代人は、一日にどれくらいスマホを見ているのだろう。日本では、ざっくり一日3時間前後らしい。もちろん年代差は大きい。若い世代では4時間近くになる。とはいえ平均して一日3時間という数字だけでも、改めて考えるとかなり長い。睡眠を8時間とすれば、起きている時間は16時間。そのうち約3時間だから、覚醒時間の2割近くをスマホに向けていることになる。年間なら約1,000時間。これが何十年も続けば、人生のかなりの時間をスマホとともに過ごすことになる。
スマホを見ているとき、私たちはどこにいるのか
ここで少し違う角度から考えてみたい。スマホを見ている時間、身体は確かに「今ここ」にある。電車の座席に座っている。カフェにいる。自宅のソファにいる。ところが意識は、そこにはいない。
ニュースを読めば、遠い国の出来事へ飛ぶ。SNSを開けば、友人や知らない人の生活へ入り込む。旅行サイトを見れば、まだ行っていない場所へ飛び、株価を見れば未来の資産について考え始める。身体は今ここにあるのに、思考は別の時空にいる。スマホは、その状態をこれほど簡単に実現した道具なのだ。
人間と世界の間に「情報」が入った
生命体は本来、世界と直接つながっていた。暑ければ木陰へ入る。腹が減れば食べ物を探す。危険を感じれば逃げる。身体で世界を感じ、身体で反応する。人間はそこに、さまざまな媒介を挟むようになった。
直接接続 身体で世界に触れる。
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道具による接続の拡張 身体の能力を外へ延ばす。
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言語による記号化 世界を言葉で扱う。
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貨幣による抽象化 価値を交換可能な数字にする。
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情報による仮想化 世界をデータとして扱う。
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AIによる代理化 世界との接触や判断の一部まで代行させる。
スマホは、この「情報による仮想化」を日常生活の隅々まで広げた装置なのだろう。
レストランへ行く前に、もうレストランへ行っている
昔なら、店の前まで行って、「ここ、おいしそうだな」と入った。今は違う。まず検索する。地図を見る。写真を見る。メニューを見る。口コミを見る。点数を見る。場合によっては動画まで見る。つまり実際に店へ行く前に、情報空間の中で一度その店を経験している。
旅行も同じだ。行く前にホテルを見る。観光地を見る。Googleマップで街を歩く。YouTubeで現地の様子を見る。商品を買う前にはレビューを読む。人に会う前にはSNSを見る。現代人は、世界と直接出会う前に、まず「情報化された世界」と出会うようになった。
これは便利である。私自身、その恩恵を大いに受けている。問題は便利さではない。その比率なのだと思う。
一日3時間という意味
スマホを一日3時間使うこと自体が、良いとか悪いとかいう話ではない。スマホを使って家族と連絡することもある。本を読むこともある。仕事をすることも、道を調べることも、考えを深めることもある。
重要なのは、「今、自分は世界とどのようにつながっているのか」を自覚することではないだろうか。世界そのものと接しているのか。情報化された世界を見ているのか。頭の中で世界をシミュレーションしているのか。AIに世界の整理を任せているのか。私たちは、この違いをほとんど意識せず、一日の中を行き来している。
情報を減らすのではなく、直接接続を増やす
だから私は最近、「スマホを減らそう」という話だけでは少し違うように感じている。大切なのは、情報との接続を切ることではなく、世界との直接接続を取り戻すことではないだろうか。
歩く。料理する。土に触れる。運動する。風呂に入る。人と会って話す。知らない道を歩く。旅に出る。目の前の景色を見る。どれも大したことではない。しかし、そこでは情報ではなく、身体が直接世界とつながっている。風は画面の中からは吹いてこない。料理の匂いも、温泉の熱さも、人と向き合ったときの微妙な空気も、情報だけでは完全には伝わらない。
AI時代には、さらに重要になる
そしてAIが普及すれば、情報世界はさらに便利になる。検索する必要さえ減るかもしれない。AIが調べ、整理し、比較し、予約し、提案し、やがて判断の一部まで代行する。人間と世界との間に、AIという新しい媒介層が入ってくる。
だからこそ逆説的に、人間にとって「直接世界に触れること」の価値は高くなるのではないか。一日3時間スマホを見ている。その数字を見て、私は「スマホを見過ぎだ」とは思わなかった。むしろ、別の問いが浮かんだ。
私は一日のうち、何時間、世界と直接つながっているだろう。
スマホの使用時間を測る機能はすでにある。そのうち私たちに必要になるのは、「今日の世界との直接接続時間」を測る物差しなのかもしれない。
【今日の1日】5時起床。家事一般。新聞+サイト運営。白湯+オイルうがい+ピラティス。朝食。ゴミ捨て-買物-昼食(そば)-ジム。大河ドラマ鑑賞。夕食。阪神タイガース観戦。就寝。(一言)
【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)「卒サラ@還暦 物語― 人間の設計思想を再発見する物語」ドラフト
【OUTPUT】マンダラチャート維持
