お金

お金は「貯める」ものではなく、「循環させる」ものかもしれない。長い間、お金については「貯めること」が大切だと思ってきた。

働いて稼ぐ。
生活費を差し引く。
残ったお金を貯める。
できれば運用して増やす。

これは、とても合理的なお金との付き合い方である。

けれども最近、人生そのものを「直線」ではなく「循環」として見るようになってから、お金についても少し違った見え方をするようになった。

お金もまた、「貯める」こと以上に「循環させる」ことが大切なのではないか。

「貯める」は直線的である

お金を直線的に考えると、人生はこんな形になる。

稼ぐ → 貯める → 増やす → より大きな資産をつくる

もちろん、貯蓄は大切である。将来何が起こるか分からない。病気になるかもしれないし、仕事を失うかもしれない。老後の生活にもお金は必要である。だから、ある程度のお金を蓄えておくことは、人生に安心をもたらす。

問題は、その先である。

いつの間にか、「いくら貯まったか」「資産がいくら増えたか」という数字そのものが目的になってしまうことがある。すると、お金は人生を支える道具ではなく、人生の成績表のようなものになっていく。

これは、どこか直線的である。

生命は、そもそも循環している

一方、人間を生命体として眺めてみると、まったく違う景色が見えてくる。私たちは食べる。食べたものは栄養となり、身体を動かす。身体を動かして、働いたり、遊んだり、人と会ったり、何かをつくったりする。疲れれば眠る。そして翌朝、また活動を始める。生命活動は、どこかのゴールへ一直線に進んでいるわけではない。

食べる → 動く → 疲れる → 休む → 整う → また動く

という循環を繰り返している。しかも、まったく同じ場所を回っているわけでもない。経験が積み重なり、人との関係が変わり、自分自身も少しずつ変わっていく。円というより、螺旋なのかもしれない。

お金も循環の中に置いてみる

そう考えると、お金も違って見えてくる。たとえば、お金を使って食事をする。そのお金は店の売上になり、そこで働く人の給料になり、生産者や物流業者にも渡っていく。自分の側では、食事によって身体が整う。友人との食事なら、会話が生まれ、関係が育つ。旅行に使えば、経験が生まれる。本を買えば、知識や新しい問いが生まれる。運動に使えば、身体の状態が整う。誰かへの贈り物に使えば、関係が動く。つまり、

お金 → 生活 → 身体 → 経験 → 関係 → 学び → 行動 → 創造

という循環が生まれている。そして、自分が使ったお金は誰かの収入となり、その人の生活を通してさらに社会を巡っていく。お金は、止まっているときより、動いているときのほうが、いろいろなものを生み出している。

貯蓄は「貯水池」と考えればいい

だからといって、貯蓄が不要だという話ではない。むしろ、循環を安定させるためには貯蓄が必要である。私は、貯蓄を「貯水池」のようなものだと考えると分かりやすいと思う。雨が降らない時期にも水を供給できるように、余裕のあるときに水を蓄えておく。しかし、ダムの目的は、水を永遠に貯め続けることではない。必要なときに水を流し、生活や産業を支えることである。お金も同じではないだろうか。

貯めるのは、循環を止めないためである。

そう考えると、「いくら貯めるか」だけでなく、「何のために、どのくらい貯めておけば、自分の人生の循環が安心して回るのか」という問いに変わる。

資産とは「循環を回せる力」なのかもしれない

ここまで考えると、「資産」という言葉の意味まで少し変わってくる。資産とは、単に銀行口座や証券口座にある数字ではないのかもしれない。健康な身体がある。安心して住める場所がある。話のできる人がいる。面白いと思えることがある。新しいことを経験できる。必要なときに休める。そして、それらを支えるだけのお金がある。これらが組み合わさって、人生の循環が回っている。だとすれば、本当の意味での豊かさとは、「どれだけ持っているか」ではなく、「どれだけ心地よく循環しているか」なのかもしれない。

お金は、その循環を回す大切な道具のひとつである。人生を直線として見ると、お金は「貯めるもの」に見える。人生を循環として見ると、お金は「巡らせるもの」に見えてくる。そして最近の私は、こちらの見方のほうが、どうも生命体として自然な気がしている。

生命は、貯めることで生きているのではない。 巡らせることで生きている。お金もまた、その大きな循環の中にある。

【今日の1日】晴。5時起床。家事一般。サイト運営。オイルうがい+白湯+ピラティス。朝食。写真撮影会@赤坂-昼食(ピザ)。昼寝。夕食。阪神タイガース観戦。就寝。(一言) 

【INPUT】(日経新聞) (WSJ) (YouTube)(読書)「卒サラ@還暦 物語― 人間の設計思想を再発見する物語」ドラフト

【OUTPUT】マンダラチャート維持

コメントする